DERMATOLOGY
保険診療
かゆみ・赤み
蕁麻疹は、突然、かゆみのある赤い膨らみ(膨疹)が現れ、多くは数時間から1日以内に跡を残さず消えていく皮膚の病気です。ただ、消えてもまた出る、を繰り返すうちに、かゆみで眠れなかったり、薬が手放せなくなったりと、生活への負担が少しずつ大きくなっていきます。
当院では、日本皮膚科学会機構認定の皮膚科専門医が、患者さん一人ひとりの症状の強さやこれまでの経過、ライフスタイルに合わせて、抗ヒスタミン薬による基本治療から、近年使えるようになった注射治療(ゾレア)まで、その方に合った方法を一緒に考えていきます。
「この薬を続けていていいのか」という迷いも含めて、まずはお気軽にご相談ください。
ひとつでも当てはまる方は、治療を見直すことで今より楽になる可能性があります。
強いかゆみで、夜中に目が覚める・ぐっすり眠れない
ほぼ毎日のように蕁麻疹が出て、薬が手放せない
原因が見当たらないまま、1ヶ月以上症状が続いている
抗ヒスタミン薬を飲んでも、症状が十分に治まらない
人目が気になって、仕事や外出、人と会うことに集中できない
今の薬を、このまま飲み続けていいのか不安
蕁麻疹の治療は、ここ数年で選択肢が広がっています。
「以前はこう言われた」という場合も、まずは一人ひとりの症状やこれまでの経過を確認し、あなたに合った治療を一緒に見つけていきます。
蕁麻疹は、皮膚の中にある「マスト細胞(肥満細胞)」から「ヒスタミン」という、かゆみや赤みを引き起こす物質が放出されることで起こります。
症状が数日〜数週間でおさまるものを「急性蕁麻疹」、6週間以上にわたって出たり消えたりを繰り返すものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。慢性蕁麻疹の多くは、検査をしても明らかな原因が見つからない「特発性(原因がはっきりしないこと)」のタイプです。原因がわからないこと自体は珍しくなく、原因が特定できなくても、症状を落ち着かせる治療を進めることができます。
蕁麻疹の治療は、症状の強さやこれまでの経過に応じて、大きく「軽症〜中等症」と「重症・難治性」の段階に分けて行います。
一般的な蕁麻疹や、比較的症状がコントロールしやすい場合の、基本となる治療です。
蕁麻疹の主な原因である「ヒスタミン(かゆみや赤みを引き起こす物質)」の働きを抑えるため、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の飲み薬を処方します。現在は、眠気などの副作用が比較的少ない「第2世代抗ヒスタミン薬」が中心です。
標準的な量で効果が不十分な場合は、専門医の判断のもとで、お薬の量を調整したり、別の種類の抗ヒスタミン薬を組み合わせたりします。あわせて、アレルギー反応を抑える別のお薬(H2受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬など/胃酸やアレルギーに関わる働きを抑えるお薬)を併用し、症状を落ち着かせていきます。
抗ヒスタミン薬を増量・変更しても症状が十分に治まらない、あるいは原因が見当たらないまま1ヶ月以上続く「特発性の慢性蕁麻疹」でお悩みの方には、注射による治療をご提案できます。
当院では、従来の飲み薬では改善が難しかった12歳以上の重症・難治性の特発性慢性蕁麻疹に対して、生物学的製剤(抗IgE抗体)である「ゾレア」の皮下注射(皮膚のすぐ下への注射)による治療を行っています。
蕁麻疹は、マスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどの物質が放出されて起こりますが、その放出の引き金のひとつになっているのが「IgE(体内で作られる抗体の一種)」です。ゾレアはこのIgEの働きを抑えることで、激しいかゆみや腫れが起こりにくい状態へ導きます。

治療のゴール
これまでのお薬でも残ってしまっていた症状を落ち着かせ、「人目を気にせず過ごせる」「仕事や学業に集中できる」「夜ぐっすり眠れる」といった、以前のような日常を取り戻すことを目指します。効果のあらわれ方には個人差があります。
投与方法とスケジュール
通常、1回300mgを4週間(1ヶ月)ごとに、医療機関を受診して皮下に注射します。そのため、月に1回の定期的な通院が必要になります。
主な副作用と注意点
副作用が起こる頻度は高くありませんが、比較的多くみられるのは、注射した部位の赤み・腫れ・かゆみなどの局所的な反応です。また、非常にまれではありますが、急激で強いアレルギー反応である「アナフィラキシー(呼吸が苦しい、血圧が下がる、全身の強いかゆみ、くちびるやのどの腫れなど)」が起こる可能性がゼロではありません。そのため当院では、注射後に一定時間、院内で経過を観察するなど、皮膚科専門医のもとで安全に配慮しながら治療を行っています。
ゾレア注射には健康保険が適用されます。
以下の金額は、薬価(300mgペン製剤:40,091円)にもとづいた薬剤費のみの自己負担額の目安です。別途、初診料・再診料、検査料、併用する飲み薬の費用などがかかります。
保険の負担割合 | 1回(300mg)あたりの薬剤費の自己負担額(目安) |
|---|---|
3割負担の方 | 約 12,030 円 |
2割負担の方 | 約 8,020 円 |
1割負担の方 | 約 4,010 円 |
年齢やご自身の所得によっては、月々の医療費の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」の対象となり、実際の窓口でのお支払いをさらに抑えられる場合があります。また、お勤め先の健康保険組合独自の「付加給付制度」を利用できる場合もあります。詳しくは、診察時に専門医やスタッフまでお気軽にご相談ください。
初診・診察 ── 皮膚科専門医が、症状とこれまでの経過、お悩みやご希望をうかがい、「今の治療を続けるか・変えるか」も含めて方針を一緒に整理します。
検査(必要な場合) ── 注射治療などを検討する際に、必要に応じて血液検査などを行います。
治療方針のご提案 ── 飲み薬・注射の中から、その方に合った選択肢をご説明します。すぐに注射を始めるのではなく、段階を踏むこともあれば、必要に応じて早めにご提案することもあります。
治療開始 ── 納得いただいたうえで治療をスタートします。
定期的な経過観察 ── 効果や副作用の有無を確認しながら、お薬の量や種類を調整していきます。
治療方針は、患者さんのご希望・生活・ご不安をうかがったうえで、一緒にすり合わせて決めます。
いきなり強い治療をおすすめすることはしません。一方で、必要と判断したときは新しい選択肢もご提案します。
お薬への不安、費用への不安、続けることへの不安など、どんなことでも遠慮なくお話しください。
その場しのぎではなく、症状に振り回されずに過ごせる状態を保つことを目標にします。
Q. 蕁麻疹は何科を受診すればいいですか?
皮膚科が専門となります。当院では日本皮膚科学会機構認定の皮膚科専門医が診察し、飲み薬から注射治療まで対応しています。
Q. 市販薬でなかなか良くならないのですが、受診したほうがいいですか?
市販薬で数日たっても改善しない、繰り返す、かゆみで眠れない、といった場合はご相談ください。慢性化する前に、症状に合ったお薬を選ぶことが大切です。
Q. 原因がわからないのですが、治療できますか?
はい。慢性蕁麻疹の多くは原因が特定できない「特発性」のタイプで、原因がわからなくても症状を抑える治療を進められます。
Q. ゾレア注射は誰でも受けられますか?
飲み薬では十分に効果が得られなかった、12歳以上の重症・難治性の特発性慢性蕁麻疹の方が対象です。診察のうえで、適しているかどうかをご説明します。
Q. ゾレアはどのくらいで効果を感じますか?
効果のあらわれ方には個人差があります。実感の程度や時期については、診察の中でご説明します。
Q. 保険は使えますか?費用はどのくらいかかりますか?
蕁麻疹の治療は保険診療です。ゾレア注射も保険適用ですが一定の費用がかかるため、開始前に費用の目安を必ずご説明します。高額療養費制度の対象となる場合もあわせてご案内します。
「飲み薬を続けているのに、なかなか良くならない」「このままの治療でいいのか不安」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
治療を変えるかどうかは、診察でお話をしてから決めていただいて構いません。皮膚科専門医が、あなたに合った治療を一緒に見つけます。
ご予約はネットで、24時間受付中です。
当院は完全予約制です。予約なしでご来院された場合、
かなりの待ち時間が発生することがあります。ご了承ください。
当院は完全予約制です。予約なしでご来院された場合、かなりの待ち時間が発生することがあります。ご了承ください。