COLUMN
美容皮膚科
公開日
2026.2.25
更新日
2026.2.25

こんにちは、北堀江LA皮膚科クリニック 院長の竹澤です。
今回の【シミ・くすみコラム #4(後編)】では、
実際に行われる肝斑治療の流れ
治療前に知っておきたいポイント
を整理していきます。
肝斑治療は、単にシミを取る治療とは少し考え方が異なります。
ぜひ最後までご覧ください。
なお、
肝斑の特徴や治療の方向性、よくある質問については前編で詳しくまとめています。
まず基本から知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
▶【シミ・くすみ #4】肝斑とは?シミとの違いと治療の基本(前編)
肝斑の治療では、いくつかの治療を組み合わせながら、肝斑が出にくい状態を整えていくことが大切です。
一般的には次のような流れで進めていきます。
肝斑によって敏感になっている肌状態を安定させる(生活習慣の見直し・内服治療)
外用治療を中心に、肝斑による”面のシミ”へのアプローチ
肌状態が安定したあと、必要に応じて機器治療で全体のトーンを整える
「レーザーだけですぐ消える」というものではなく、段階的に整えていくと理解しておくとよいでしょう。

ここでは、それぞれの役割について整理していきます。
肝斑治療では、日常生活の見直しも大切な治療の一部です。
紫外線だけでなく、洗顔時のこすりすぎやマッサージなどの摩擦、スキンケアによる刺激も、色素沈着を悪化させる要因になります。
そのため、
紫外線対策を習慣にする
こすらないスキンケアを意識する
必要以上の刺激を避ける
といった日々のケアを、治療と並行して続けていくことが重要になります。
肝斑は一度落ち着いても、刺激が重なると再び目立ってくることがあります。
内服・外用・機器治療の効果を安定させるためにも、生活習慣を整えることが「治療の土台」になります。
シミ予防については、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
▶【シミ・くすみ #2】予防で差がつく未来の肌|紫外線対策は日々の習慣
内服治療は、すぐに肝斑を消すためのものではなく、時間をかけて肌の状態を安定させていく治療です。
肝斑ができやすい「刺激に反応しやすい状態」を内側から落ち着かせることで、その後の外用治療や機器治療の効果を引き出しやすくする役割があります。
治療では、トラネキサム酸を中心に、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化成分を組み合わせて肌状態を整えていく方法が一般的です。
▼肝斑治療における代表的な内服薬

内服治療の効果の現れ方には個人差がありますが、数週間〜数か月の継続で肌の安定を実感される方も。
服用期間や内容は体質や既往歴によって調整が必要なため、医師の判断のもとで無理のない範囲で続けていくことが大切です。
内服と並行して行われることが多いのが、外用薬によるアプローチです。
有効成分を肌に直接届けることで、局所の色素や肌状態に働きかけていきます。
使用される外用薬は、肌質や肝斑の状態、他のシミの有無などによって異なりますが、
トラネキサム酸外用
ハイドロキノン
システアミン
レチノイド(トレチノイン・レチノールなど)
といった成分が、目的に応じて組み合わせて処方されることが一般的です。
▼肝斑治療の代表的な外用薬

肝斑は刺激で悪化しやすいため、強い治療を行うとかえって色が濃く見えることがあります。
一方で、すでに蓄積した色素は、内服や外用薬だけでは十分に減りきらないことも。
一般的には、
まずは肌状態を整えながら、弱い出力で少しずつ色素に働きかける「トーニング」を検討
肝斑以外の“点のシミ”が混在している場合は、トーニングで全体を整えた後に、IPLなどを用いて他のシミや色ムラへアプローチ
このように、段階的に治療を進めていく方法が多くとられています。
しかし、肌質や既往歴、過去の治療歴などによっては、トーニング以外の方法を検討するケースもあります。
当院では肌の反応やリスクを考慮しながら、
という流れで治療を検討することがあります。
肝斑の機器治療は「肌状態が整ってから段階的に取り入れていくケア」という点を、あらかじめ理解しておくことが大切です。
治療を検討する際は、方法だけでなく、回数・費用・ダウンタイム・再発リスクなども考えることが大切です。
■ 治療の流れと費用について
トーニングやIPLなどの治療は、回数を重ねながら徐々に整っていく治療です。
そのため費用も1回ごとの料金だけでなく、通院回数や内服・外用の継続を含めた“トータル”で考えると現実的です。
(美容目的のシミ治療は原則として自由診療となります。)
また、レーザーやIPLには、
赤み
炎症後色素沈着
肝斑の反応
などのリスクがまったくないわけではありません。
経過や反応には個人差があります。
■ 妊娠・授乳中の方、血栓症の既往のある方
内服治療ではトラネキサム酸などを使用することがありますが、血栓症の既往がある方や持病のある方、妊娠・授乳中の方は使用できない場合があります。
シミのように見えていても、それが肝斑なのか、別の色素斑なのかによって、選ぶべきケアや治療の方向性は大きく変わります。
見た目だけでは判断が難しく、自己判断のままケアを続けた結果、かえって濃く見えてしまうケースも少なくありません。
とはいえ、
「すぐに治療を始めたいわけではない」
「まずは自分のシミの状態を知りたい」
という方も多いのではないでしょうか。
肝斑治療では、何かを始める前に現在の肌状態を正しく把握することが大切です。
北堀江LA皮膚科クリニックでは、肌診断機(VISIA)を用いて色素の分布や肌状態を確認しながら、
肝斑の可能性があるか
他のシミが混在していないか
どの程度のケアが適しているか
といった点を整理し、今後の方向性を一緒に考えていきます。
肌状態の確認のみからご相談いただくことも可能で、「治療をするかどうか」はそのあとに決めていただいて大丈夫です。
まずはご自身の肌の状態を知るところから、無理のない形で始めてみてください。
※肝斑の状態や治療方法は個人差が大きく、診察により判断されます。
【参考文献】
[1] 日本美容外科学会 編: 日本美容外科学会会報 2022 Vol.44 特別号 美容医療診療指針(令和3年度改訂版). 全日本病院出版会, 2022.
[2] 日本形成外科学会他 編: 形成外科診療ガイドライン1 2021年版 皮膚疾患/頭頸部・顔面疾患/体幹・四肢疾患.金原出版, 2021.
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