COLUMN
美容皮膚科
公開日
2026.2.25
更新日
2026.2.25

こんにちは、北堀江LA皮膚科クリニック 院長の竹澤です。
シミ・くすみコラム第4回では、「肝斑」をテーマに取り上げます。
肝斑はシミの中でも、見分けや治療の進め方が難しい色素変化です。
前編となる今回は
肝斑の特徴とシミの違い
治療を考えるうえでの基本的な方向性
肝斑のよくある質問
について整理していきます。
後編では、
実際に行われる肝斑治療の進め方や、
内服・外用・機器治療の使い分けなど、より具体的な内容を解説していきます。
▶【シミ・くすみ #4】肝斑治療の流れと選び方(後編)
「シミだと思っていたけれど肝斑かもしれない」
「自分の場合はどう考えればよいのだろう」
そんな方が、現在の肌状態を整理するためのヒントとして参考にしていただければ幸いです。
肝斑は名前に「肝」とつきますが、肝臓の病気とは関係ありません。
紫外線やホルモンバランスの変化、摩擦など、いくつかの刺激が重なって現れる色素斑のひとつです。
いわゆるシミ(老人性色素斑)と見た目が似ていることもありますが、でき方や治療の考え方は大きく異なります。
シミが主に「紫外線ダメージの蓄積」で生じるのに対し、
肝斑は、紫外線を含むさまざまな刺激に対して肌が敏感に反応し、メラニンを作りやすい状態になることで生じると考えられています。
肝斑は、30〜50代の女性に多く見られる色素斑で、見た目にはいくつかの特徴があります。

肝斑は特定の原因ひとつで生じるというより、さまざまな刺激が重なって現れやすくなる(増悪する)色素斑と考えられています。
主な要因
紫外線
スキンケアによる摩擦やこする習慣
ホルモンバランスの変化
レーザー・光治療など熱をともなう施術
一度肝斑が目立つようになると、メラニンを作る細胞(メラノサイト)が刺激に敏感な状態になり、わずかな刺激でも反応しやすくなります。
▼肝斑のメカニズム

実際の診療では、肝斑だけが単独で現れているケースよりも、
肝斑+老人性色素斑
肝斑+そばかす
肝斑+ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
といったように、複数の色素が混在している状態が多く見られます。
そのため、「シミのように見えるから」と自己判断でケアを続けてしまうと、かえって色が濃くなったり、肌が不安定になることもあります。
まずは現在の色素の状態を把握し、それぞれに合った対応を検討していくことが大切です。
肝斑以外に複数の色素が混在している場合、すべてを同じ治療で一度に整えようとすると、かえって肝斑が目立ってしまうことがあります。
肝斑の治療では、
色を取る前に、まず肌の状態を落ち着かせる
という考え方がとても重要になります。
また一度改善しても刺激を受けると、再び目立ってくることがあるため、
肝斑のケアは色味を消して終わりというより、肌状態を整えながら良い状態を保っていくという視点が大切になります。
一般的には、
①肝斑によって敏感になっている肌状態を安定させる(生活習慣の見直し・内服)
②外用治療を中心に、肝斑による”面のシミ”へのアプローチ
③肌状態が安定したあと、必要に応じて機器治療で全体のトーンを整える
といったように、段階を踏みながら治療を組み立てていきます。
特に②と③へ進むタイミングや治療機器の設定は、肌の反応を見ながら慎重に判断していく必要があります。
こうした見極めが求められる点が、肝斑治療が難しいと言われる理由の一つです。
肝斑は刺激を避けることで自然に薄くなる場合もあります。
ただし、日常生活で刺激を完全に避けるのは難しく、市販の美白化粧品やセルフケアだけで十分な変化を感じるのは難しいケースもあります。
トーニング治療は、1回で大きく変化するというより、弱い出力で少しずつ整えていく治療です。
一般的には4週間に1回のペースで、5〜10回ほど重ねていくケースが多いとされていますが、肝斑の濃さや範囲、肌の反応によって必要な回数や間隔は変わります。
経過を観察しながら、その都度調整していくことが大切です。
実際の治療の進め方については、後編のコラムでも詳しく解説しています。
▶【シミ・くすみ #4】肝斑治療の流れと選び方(後編)
肝斑治療は、一度整えれば終わりというより、落ち着いた状態を保っていく治療です。
治療を中止したからといって急に悪化するわけではありませんが、紫外線や摩擦などの刺激が続くと、時間とともに再び目立ってくることがあります。
状態が安定してきた後は、間隔をあけてケアを続けるなど、生活スタイルに合わせた無理のない続け方を考えていくことが大切です。
北堀江LA皮膚科クリニックでは、必要に応じて画像解析機器(VISIA)なども参考にしながら、現在の色素の傾向を整理していきます。
肌状態の確認のみのご相談から始める方も少なくありません。
治療を前提としなくても、
今あるシミが肝斑なのかハッキリさせたい
今のケアを続けて良いのか
今できることが何かあるか
といった視点を持つことで、その後の肌との付き合い方を整理しやすくなります。
後編では、
肝斑とシミが混在している場合の治療の進め方や、
内服・外用・機器治療の使い分けについて、より具体的に解説していきます。
「自分の場合はどう考えればいいのだろう?」
と感じた方は、ぜひ続けてご覧ください。
▶【シミ・くすみ #4】肝斑治療の流れと選び方(後編)
※肝斑の状態や治療方法は個人差が大きく、診察により判断されます。
【参考文献】
[1] 日本美容外科学会 編: 日本美容外科学会会報 2022 Vol.44 特別号 美容医療診療指針(令和3年度改訂版). 全日本病院出版会, 2022.
[2] 日本形成外科学会他 編: 形成外科診療ガイドライン1 2021年版 皮膚疾患/頭頸部・顔面疾患/体幹・四肢疾患.金原出版, 2021.
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