COLUMN
皮膚科
公開日
2026.6.3
更新日
2026.6.3

こんにちは、北堀江LA皮膚科クリニック 院長の竹澤です。
🌀 ニキビは治ったのに、赤みや茶色いシミが消えない…
🌀 クレーターをどうにかしたい!
ニキビが治っても残る、赤み・シミ・クレーターに悩んでいませんか?
「ニキビ痕」は、タイプによって原因や対処法が大きく異なります。
そこで、今回のコラムでは、ニキビ痕の4つのタイプと、ニキビ痕を残さないためにできることついてお話しします。
ニキビ痕は、ニキビの炎症が落ち着いたあとに、赤み・色・凹み・盛り上がりなどが残った状態です。
私たちの肌は「表皮」と「真皮」の2つの層からできています。表皮は新陳代謝で生まれ変わりますが、肌の土台である真皮は一度壊れると元に戻りにくい組織です。
ニキビの炎症が強かったり長引いたりすると、ダメージが「真皮」まで届いてしまい、ニキビ痕として残ることがあるのです。
海外の約24,000人を対象とした調査では、ニキビ患者の約半数にニキビ痕が見られたと報告されています。

ニキビ痕の原因は、タイプによって大きく異なります。
正しい対処や治療につなげるためには、まずご自分のニキビ痕がどのタイプかを見極めることが大切です。
ニキビが落ち着いたあとも、ぽつんと赤みだけが残ることがあります。これは「炎症後紅斑」と呼ばれる状態です。
赤みの正体は、シミではなく「血管」です。ニキビができている間にダメージを受けて広がった血管や、修復のために新しく作られた血管が、ニキビが治まったあとも残ってしまうことで、肌から赤色が透けて見えてしまいます。
軽い赤みであれば、数ヶ月から半年ほどで薄くなる方も多いですが、同じ場所でニキビを繰り返すと長引くこともあります。
ニキビが治った場所に、茶色いシミのような痕が残るのは「炎症後色素沈着」と呼ばれる状態です。
ニキビによって肌にダメージが加わると、肌は自分を守ろうとしてメラニン色素を作り出します。この働きが過剰になると、メラニンが溜まったままシミとして残ってしまうのです。
浅いところにあるシミは、肌の生まれ変わりとともに数ヶ月から半年ほどで薄くなることも多くあります。一方で、メラニンが深いところまで入り込んだシミは、青みがかった灰色や濃い茶色に見え、年単位で残ることもあります。
ご相談が多いニキビ痕が、クレーターと呼ばれている「陥凹性瘢痕」です。これは、肌の土台となる真皮がダメージを受けて欠けてしまった状態です。

膿を持つようなひどいニキビでは、菌や免疫細胞の働きによって、真皮にあるコラーゲンが壊されてしまいます。真皮は元通りにすることが難しい組織のため、肌が凹んだまま残ってクレーターになります。
陥凹性瘢痕は自然に治るのが難しく、美容皮膚科でコラーゲンを増やす治療が必要になります。
クレーターとは反対に、ニキビが治った場所が赤く硬く盛り上がってしまうこともあります。これは「肥厚性瘢痕」と呼ばれる状態です。
肥厚性瘢痕は、肌を治す過程でコラーゲンが過剰に作られてしまうことで起こります。肥厚性瘢痕は、あごや胸、背中など、皮膚が引っ張られやすい部位にできやすい傾向です。
よく似たものに「ケロイド」がありますが、肥厚性瘢痕はニキビがあった範囲内にとどまるのに対し、ケロイドはニキビがあった範囲を越えて広がる点が異なります。
すでにできてしまったニキビ痕、特にクレーターや肥厚性瘢痕は、皮膚科で治療の選択肢を相談することが大切です。
日常生活でできることは「ニキビ痕を残さないための予防」が中心になります。
ニキビ痕の予防で大切なのは、ニキビの炎症を、できるだけ早く、しっかり抑えることです。炎症がひどく長引くほど、肌へのダメージは大きくなってしまいます。
治しにくいニキビ痕にならないよう、ニキビができたら次のことに気をつけましょう。
ニキビができても、絶対に触らない・潰さないようにしましょう。自分で潰してしまうと、真皮にあるコラーゲンが傷つき、クレーターになるリスクが高まってしまいます。
とはいえ、膿がたまった黄ニキビは、つい潰したくなってしまうものだと思います。
どうしても気になる場合は、自分で潰さずに皮膚科で適切な処置を受けましょう。
ニキビ痕がシミになっている状態で紫外線を浴びると、色がもっと濃くなったり、シミが消えるまでの時間が長くなったりします。
ニキビ痕がある時期は、いつも以上に紫外線対策を意識しましょう。日焼け止めはもちろん、帽子や日傘も組み合わせてみてください。
肌が乾燥すると、バリア機能が弱まって外部刺激に敏感になります。ニキビ痕が残っている時期は、しっかり保湿ケアをしましょう。
何度も洗顔したりゴシゴシ洗顔したりすると、肌が傷ついて本来必要な皮脂まで奪ってしまいます。洗顔は、朝と夜の1日2回、やさしく行いましょう。
赤ニキビや黄ニキビ(炎症のあるニキビ)がなかなか治らない、繰り返しできるという場合は、皮膚科への受診をおすすめします。
早めに治療を始めることで、ニキビ痕が残るリスクを下げやすくなるとされています。
▼ 関連コラム
ここからは、ニキビ痕に関して、よく寄せられる質問について回答します。
ぜひ参考にしてみてください。
A. ニキビ痕のタイプによって異なります。
軽い赤みや浅い色素沈着であれば、数ヶ月から半年ほどで薄くなる方も多くいらっしゃいます。しかし、深い色素沈着になると、年単位で残ることもあります。
クレーターや肥厚性瘢痕は自然に治るのが難しいため、皮膚科・美容皮膚科での治療をおすすめします。
A. ご自宅でできることは、基本的に「予防」が中心です。
市販の美容液や市販薬を試す方もいらっしゃいますが、すでにできてしまったニキビ痕、特にクレーターを市販品だけで完全に消すのは、難しいケースが多いとされます。。
気になる痕がある場合は、皮膚科で治療を受けることをおすすめします。
皮膚科での治療については、今後のコラムで詳しくお伝えする予定です。
ぜひあわせてご覧ください。
そこで、今回のコラムでは、ニキビ痕の4つのタイプと、ニキビ痕を残さないための行動についてお話ししました。
ニキビが治ったあとの赤みや色素沈着は、早めに皮膚科で治療を始めることで、放っておくよりも早く落ち着きやすくなります。また、自然には治りにくいクレーターも、適切な治療によって目立ちにくくしていくことが期待できます。
気になるニキビ痕がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
北堀江LA皮膚科クリニックでは、お一人おひとりのお肌の状態に合わせて、最適な治療方法をご提案させていただきます。
少しでも参考にしていただければうれしいです。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023.
Fabbrocini G, et al. Acne Scars: Pathogenesis, Classification and Treatment. Dermatol Res Pract. 2010.
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NICE NG198 Evidence review: Risk factors for scarring due to acne vulgaris. 2021.
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