COLUMN
皮膚科
美容皮膚科
公開日
2026.6.19
更新日
2026.6.18

こんにちは、北堀江LA皮膚科クリニック 院長の竹澤です。
市販薬を試してみたけれど、ニキビがなかなか良くならない…
皮膚科に行くべき?どんな治療がある?
自費診療もあると聞くけど、よくわからなくて不安
ニキビを治そうと思うと、市販薬、皮膚科の保険診療、自費診療と、いくつもの選択肢があります。「自分にはどれが合うのだろう」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、保険診療と自費診療それぞれの役割・費用・選び方を、できるだけ公平に整理してお伝えしていきます。
ニキビ治療を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

皮膚科でのニキビ治療は、大きく「保険診療」と「自費診療(自由診療)」の2つに分かれます。
「保険診療」は、ニキビ治療の基本となるものです。日本皮膚科学会のガイドラインでも、保険診療で使う塗り薬や飲み薬は、強く推奨される治療に位置づけられているものもあります。
一方「自費診療」は、保険診療では届きにくいニキビ痕のケアや、肌質そのものの改善を目指すときに選ばれます。
保険診療と自費診療は、それぞれにメリットや得意な役割があります。
ニキビ治療を選ぶにあたっては、もう1つ知っておきたい考え方があります。
✅ ニキビの炎症を抑える治療
✅ ニキビを繰り返さないための再発予防(維持療法)
これらを分けて考えるという視点です。
ニキビは、一度治っても、肌の中で新しいニキビのもとが作られ続けています。そのため、これら2つの治療を組み合わせることが、ニキビを繰り返さず、ニキビ痕を残さないためのカギになるということです。
保険診療でできるニキビ治療は「今あるニキビの炎症を抑えること」が中心です。
ニキビは、毛穴の詰まりや皮脂に加え、ニキビの原因菌であるアクネ菌(アクネ桿菌)が増えて炎症を起こすことで悪化するとされています。保険診療では、この毛穴の詰まり・アクネ菌・炎症にはたらく薬を使い分けていきます。
毛穴の詰まりにはたらく薬は、炎症が落ち着いたあとも使い続けることで、ニキビの再発予防にもつながります。
ニキビ治療の基本となるのは「塗り薬」です。
毛穴の詰まりを取る薬と、アクネ菌を抑える薬を、ニキビの状態に合わせて使い分けます。
塗り薬だけでは炎症が治まりにくいときは「飲み薬(抗菌薬)」を一緒に使うこともあります。抗菌薬には、身体の内側からアクネ菌を減らし、強い炎症を抑えるはたらきがあります。
ニキビ治療の保険診療でよく使われる薬やその働きについては、下の表のとおりです。
表1:保険診療でできるニキビ治療
種類 | 薬の名前の例 | 働き |
|---|---|---|
塗り薬 | アダパレン(ディフェリン®)/過酸化ベンゾイル(ベピオ®) | 毛穴の詰まりを取る・殺菌する |
塗り薬(配合剤) | エピデュオ®/デュアック® | 毛穴の詰まり解消+殺菌 |
飲み薬(抗菌薬) | ドキシサイクリン(ビブラマイシン®)/ミノサイクリン(ミノマイシン®) | 身体の中から炎症を抑える |
※ 保険診療の費用は、自己負担割合や処方内容により異なります。目安として、診察料は初診1,100円/再診550円(税込)に、薬代などが加わります。
すでに残ってしまったニキビ痕は悩みのタネになるものですが、その中でも、赤み・茶色い色素沈着・クレーターに対する治療は、基本的に保険診療の対象外です。これらを目立たなくする治療は「美容目的」とみなされ、健康保険が使えないためです。
ただし、赤く盛り上がったタイプのニキビ痕(肥厚性瘢痕)は、トラニラスト/リザベン®の内服やステロイドの注射など、一部保険診療で受けられる治療があります。
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保険診療で改善が乏しいニキビや、何度も繰り返すニキビ、そして残ってしまったニキビ痕には「自費診療」という選択肢があります。
自費診療のメリットは、専用の機器や薬を使い、保険診療では届きにくいニキビ痕や肌質の改善まで、積極的にアプローチできることです。
自費診療のアプローチは、大きく2つに分けられます。
今あるニキビや肌質へのアプローチ
ニキビ痕へのアプローチ
今ニキビがある方・ニキビができやすい肌質の方には、ピーリングや美容成分を肌の奥まで届けるケアを行い、毛穴の詰まりや肌のごわつきを整えていきます。
ニキビ痕がある方には、それぞれニキビ痕のタイプに応じた施術を行います。
自費診療の費用は、全額自己負担です。
「自費診療は費用がわかりにくそう…」
そう不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。北堀江LA皮膚科クリニックでは、あらかじめ費用の目安をお伝えし、ご納得いただいたうえで治療を進めています。
いきなり高額な施術をおすすめすることはありませんので、安心してご相談ください。
どの施術がどのお悩みに向くか、その仕組みと当院での費用については、下の表にまとめています。
表2:自費診療でできるニキビ治療
施術 | 特長 | 今ある | ニキビ痕 | ニキビ痕 | 費用 |
|---|---|---|---|---|---|
レーザーフェイシャル | レーザーの光で赤みのもとになる血管にはたらき、炎症性ニキビを抑え肌のハリも整える | ◎ | ◎(赤み) | △ | 8,500円〜 |
古い角質を取り、毛穴に詰まった角栓を溶かす | 〇 | △ | △ | 6,600円〜 | |
専用の機器で電気パルスを発生させて、美容成分を肌の奥まで届ける | 〇 | ◎(茶色い色素沈着) | △ | 19,800円~ | |
極細の針+高周波でコラーゲンを再生し、凹みを内側から押し上げる | △ | 〇 | ◎ | 27,500円〜 | |
レーザーの衝撃波で色素沈着を細かく砕いて排出する | ✕ | ◎(茶色い色素沈着) | ✕ | 22,000円 | |
空気圧を利用して、美容成分を肌の深層まで届ける | △ | △ | ◎ | 25,000円~ |
※ ◎特に効果が期待できる/〇 期待できる/△ 補助的/✕ 有効でない(あくまで目安となります)
※ 各施術において一時的に、赤み・腫れ・かさぶたなどが生じることがあります。効果には個人差があり、医師が肌に合う施術をご提案します。

当院では、まず保険診療でニキビの炎症をしっかり抑えることをおすすめしています。そのうえで、改善が乏しい場合や、繰り返す場合、ニキビ痕が気になる場合には、自費診療の組み合わせも選択肢として提案していきます。
ニキビやニキビ痕の状態は、お一人おひとり違います。その方の肌に合った治療を選ぶことが、改善への近道です。
どの治療が向いているか迷ったときは、自己判断せず、皮膚科専門医に相談してみましょう。
今回は、保険診療と自費診療それぞれの役割・費用・選び方について、お話ししました。
ニキビやニキビ痕をしっかり治したい方は「保険診療か自費診療か」で絞るのではなく、ご自身の症状や治療の目的に合わせて選んでいくことが大切です。
市販薬ではなかなか良くならず、どうすればいいか迷っている
保険と自費、自分にはどちらが合うのか知りたい
ニキビ痕をしっかりケアしたい
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。お肌の状態を確認したうえで、お一人おひとりに合った治療プランをご提案いたします。
少しでも参考にしていただければうれしいです。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023.
日本皮膚科学会. ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版).
Reynolds RV, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol. 2024;90(5):1006.e1-1006.e30.
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