北堀江LA皮膚科クリニック -皮膚科・美容皮膚科-

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重症のスギ花粉症でお悩みの方へ|注射薬ゾレアによる治療を徹底解説

  • 皮膚科

公開日

2026.1.21

更新日

2026.1.22

マスクを着用した女性が屋内でOKサインのポーズをしているイメージ写真

こんにちは、北堀江LA皮膚科クリニック 院長の竹澤です。

毎年、花粉の時期になると

「飲み薬を使っても鼻水やくしゃみが止まらない」
「仕事や学校生活に支障が出る」

といったつらい症状に悩まされている方も少なくありません。

今回は重症のスギ花粉症に対する治療選択肢の一つとなる、「ゾレア(一般名:オマリズマブ)」をご紹介します。

ゾレアは抗IgE抗体製剤という注射薬で、もともと気管支喘息や慢性じんましんの治療に使われてきた薬剤です。

  • 2020年2月から重症のスギ花粉症治療に対しても保険適用となりました。

これまでの飲み薬や点鼻薬などの治療で十分な改善が得られない場合に、医師の判断のもと検討されます。



このコラムでは、ゾレアがどのような治療薬か、対象となる方や治療の流れ、注意点などを、できるだけわかりやすく整理してご紹介します。

🔸ゾレアの治療対象になる人

ゾレアは、すべてのスギ花粉症患者さんが受けられる治療ではありません。

これまでの治療で症状のコントロールが難しい「重症・最重症」の方が対象となります。

具体的には、以下の条件を全て満たす場合に治療を受けることができます。

【ゾレアによる治療を受けるための条件】

重症または最重症(※1)の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と診断されており、前年のスギ花粉シーズンでも重症な症状があった

血液検査で「スギ花粉への反応(クラス3以上)」が確認された(※2)

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の既存治療を1週間以上行っても、症状が十分に改善しなかった

12歳以上で、血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mL、体重が20〜150kgの範囲である

※1:くしゃみ、鼻水がひどい
※2:スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上(FEIA法で3.5UA/mL以上またはCLEIA法で13.5ルミカウント以上)がゾレア投与対象

これらの条件を満たすかどうかは、診察や血液検査の結果をもとに医師が判断します。


「毎年つらい症状が続いている」「今の治療では十分に楽にならない」と感じている方は、一度専門医に相談してみてもよいかもしれません。

ゾレア治療を受けるための主な条件(重症スギ花粉症の診断、血液検査での反応確認、内服薬で効果不十分、年齢・体重条件、総IgE値の基準)をまとめた説明図

🔸ゾレアはどう効く?作用のしくみ

ゾレアの作用機序:

花粉症は花粉が体内に入ってきた時に作られる「IgE抗体」が引き金となって、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状が引き起こされます。

花粉吸入時にIgE抗体がマスト細胞に結合し、ヒスタミンが放出されるアレルギー反応の仕組みを示した模式図

ゾレアがIgE抗体に結合することで、IgEがマスト細胞へ結合する過程を妨げる仕組みを示したイメージ図

ゾレアはこのIgE抗体に結合することで、アレルギー反応に関わる働きを弱め、症状が起こりにくい状態を目指す治療薬のひとつです。

なお、薬の効き目は個人差がありますが、一般的に2〜4週間程度持続するとされています。

主な副作用について

■ 注射部位の反応:
最も多くみられる副作用は、注射部位の赤みや腫れといった反応です。
多くの場合は数日以内に自然におさまります。

■ アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応):
まれではありますが、ゾレア投与後にアナフィラキシーショックが起こる可能性があります。
そのため、当院ではゾレア注射後に約30分間の院内経過観察を行っています。

🔸投与方法と費用の目安

投与量と間隔は「体重」×「総IgE値」で個別に決まります:

ゾレアの投与量と投与間隔は、治療開始前の体重と血液中の総IgE値をもとに換算表に従って個別に決まります。

つまり、

  • 「全員が同じ量・同じペースで受ける治療」ではありません

  • 12歳以上であれば、お子さんでも大人と同様の換算で治療プランが決まります

投与間隔は4週間ごとが基本ですが、必要な投与量が多くなる場合は2週間ごとに投与するケースがあります。


費用の目安について

ゾレアは保険適用の治療ですが、投与量と間隔によって自己負担額が変わります。

成人の場合、1回の投与量はおおよそ150〜600mgが想定されますが、


目安として、

  • 3割負担の場合、150mgを1回投与する際の自己負担額は約6,550円となります

  • 投与量が増えればそれに応じて自己負担額も増加します


代表的な投与パターンとして、以下の3つをご紹介します。

▼代表的な投与パターン

パターン

投与のイメージ(例)

投与間隔

1回あたりの自己負担額

A:標準的な体格の方

体重60kg / 総IgE値100の場合
(150mgを1本)

4週間に1回

約6,550円
(月額 約6,550円)

B:体格が良い
 数値が高い方

体重80kg / 総IgE値200の場合
(300mgを1本)

4週間に1回

約12,030円
(月額 約12,030円)

C:数値が非常に高い方

体重70kg / 総IgE値600の場合
(450mgを2回分)

2週間に1回

約18,600円
(月額 約37,200円)

※費用に関する注意:

  • 上記の金額はあくまで薬剤費のみの目安で、薬価改定等により変動します

  • 実際には診察料・検査費・処置料などが別途かかります

  • ゾレア治療中であっても抗ヒスタミン薬などの既存薬の併用を継続する場合があり、その薬剤費も発生します

自己負担額が高額になる場合には、高額療養費制度や、こども医療費助成制度などの公的制度が利用できる場合もあります。

該当する可能性がある方は、医療機関のソーシャルワーカーや、保険加入先にご相談されることをおすすめします。

大阪市に在住のお子さんの場合:

ゾレアによる治療を受ける大阪市内在住の12歳〜18歳の方は、

  • 大阪市の「こども医療費助成制度」の対象となる場合があります

「高額だから」と諦めていた保護者の方も、お子さんの学業やスポーツに専念できる環境づくりのため、該当する方は自治体の制度内容もあわせてご確認ください。

🔸治療スケジュールと治療開始までの流れ

治療スケジュール

ゾレアは、スギ花粉の飛散時期に合わせて、期間限定で行う治療です。

基本的には、

  • 花粉が飛び始める前〜飛散初期の2月頃に治療を開始し、飛散が落ち着く5月頃までの期間

  • 治療中は2週間、または、4週間ごとに

継続的に通院し、注射を受けることになります。

スギ花粉の飛散時期に合わせたゾレア投与スケジュールの例を示したイメージ図(2週間または4週間ごとの投与間隔を表示)

初診から注射開始までの流れ

ゾレア治療は、初回受診時にすぐに注射を始めることはできません。

保険適用の条件として「既存治療を1週間以上行っても効果が不十分であること」を確認する必要があるためです。

まず初回受診時に診察と既存治療(内服や点鼻薬)を開始します。

約1週間後、症状の経過や血液検査の結果をもとに、問題なければゾレアの初回注射を行うという流れになります。

ゾレア投与までの流れを示した図。初回受診と血液検査、検査結果の説明、投与開始、定期通院までの手順を段階的に表示

🔸ゾレア治療をご検討の方へ|医師からのメッセージ

「毎年、春が来るのが憂鬱」という方にこそ、ゾレアは新しい希望になり得る治療法です。

薬剤費の負担は決して小さくありませんが、症状が落ち着くことで

  • 仕事や勉強に集中しやすくなった

  • 夜しっかり眠れるようになった

 と日常生活の質(QOL)の変化を感じるケースも報告されています。


受験を控えた学生の方(12歳以上)や、忙しい時期を乗り切りたい社会人の方など、症状による生活への影響が大きい場合は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

北堀江LA皮膚科クリニックでは、患者さんの症状や状況に合わせて無理のない治療方法を一緒に考えていきます。

つらい花粉症の症状にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

✅️ご予約方法について

ゾレアによる治療に興味をお持ちの方・医師に相談してみたい方は、下記リンクからご予約ください。
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【参考文献】
[1] ノバルティス ファーマ株式会社: 患者さん向けお薬情報. ゾレア®による治療を受ける季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の患者さまとご家族へ.
[2] ゾレア®︎皮下注用150mg 添付文書 2022年4月改訂(第4版).

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